ストーリーズ・イン・シークレット

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26 週末の愚行

 
 彼が運んで来た紅茶はリーフのポットティー。小さなデミタスカップのコーヒーは
「これって。なんとかプレッソってヤツ?」
それはこの前六本木ヒルズでデモンストレーション販売してたのを見かけた、物凄く香りの良いコーヒーメーカーの名前。
「さすが涼子さんだね。」
彼はちょっと自慢げに話した。
「気がついてもらって嬉しいなぁ。せっかくだから飲んでみてよ。」
その味はとってもリッチだったから
「よくこんな高いもの買えるね。」
こいつをちょっと裕福だけど普通のサラリーマンだと思っていたのは間違ってたのかなって思った。
「そうかな。」
古池は不思議そうに笑った。
「このマシーン3万円程度だし、これで3年使えれば1ヶ月でも1000 円かからない計算でしょう。で豆は1杯分100円しないから。どうせ毎日飲むんだし、スタバに400 円のコーヒー飲みに行くより、自分ちでゆっくり出来るんだったらこっちの方が絶対コスパ高いって。」
なんて。言ってる事が
「確かにね~。」
って感じで舌を巻いた。
「それよりさ、食べてよ。」
彼はクロワッサンを小さく千切ってあたしの口の中に入れた。チョコが入っていて妙にもったりして不思議な味だったけど、意外と
「美味しいじゃん。」
「でしょう。僕が焼いたの。」
その言葉に目を丸くした。
「おばさんが料理研究家とかなんかやっててさ、強制的にスクールに参加させられてんだよね。その時作ったのを冷凍してストックしてるんだ。」
正体不明な男だなって思った。でも彼の視線は真っ直ぐあたしを貫いている。目をそらす事なんかしないし、彼は自分の気持ちを誤摩化そうなんてしやしない。あたしと勝利とは正反対だ。
「お買い得だと思わない?」
さりげない一言に思わず視線反らして
「美味しいね。」
クロワッサン手にしたあたし。彼がすって目線落とし、何か気づかれたなって思った。それなのに
「ねぇ、僕にも食べさせてくれない?」
彼は陽気な声でまだベッドの中にいるあたしの肩に腕をまわした。
「腹ぺこなんだ。」
と。
 食事の後、お盛んな彼はもうひと勝負仕掛けて来た。
「悪いねぇ。しばらく涼子さんの事ばっかり考えてて溜まっててさぁ。」
そう言ってあたしのつま先を舐め上げる。
「“御御足(おみあし)って感じの足だね。」
頬ずりしながら撫でるから
「もしかして足フェチ?」
「当たり。」
その上またかりかりと爪の先をかじられた。くすぐったいんだから気持ちいいんだか分からなくって微妙に身悶える。そんな反応を確かめながら、彼はそっとあたしのふくらはぎに歯を立てた。
「んっ!」
予想してなかった事だから、思わず仰け反るあたしの体。尖った舌の先がもう一度そこを舐め、今度は足の裏を軽く噛まれた。声耐えるあたしに
「意外と気持ち良いでしょう?」
なんて。
「涼子さんそのまま寝ててね。もっと気持ち良い事してあげるから。」
その唇がゆっくり上に上って来る。視線はあたしの顔を見つめながら、キラキラの自然光の中で彼は見せつける様に嬲ってて。
「えっちぃ眺め。」
思わず呟き、それを耳にした古池の目が笑う。この男、今の所完璧じゃんって思った。
 マンションの部屋は複数。壁に打ち込みしてるから多分持ち家で。身につけている物は地味だけど安くはないし、見た目もナイスでする事がいちいちスマート。話し上手で飽きさせなくてえっちはかなり上手。
 せり上がって来る快楽に、持ち上げられたあたしの左足。着ていたパジャマがはだけ、下着をつけていないあたしがそっと顔を出す。
「濡れて光ってるよ。」
彼はカタツムリみたいに粘液を忍ばせながら近づいて来て。
「いい眺め。」
あたしの言葉に彼の言葉が重なって、彼の空いている手がパジャマの下の素肌に潜り込み軽く爪を立てるから、あたしの体が
「んっ・・・・」
引きしまる。足を捕まえたまま、彼の片方の指が器用にパジャマのボタンを外していって、恥ずかしくらい露になるあたし。
「やっ。」
って言いながら腰くねらせ、じんじんして来た。彼もノリノリで
「お尻の方まで濡れてるじゃん。」
って息を吹きかけた。そのはずが
「へぇっ。」
って一瞬おかしな声を出し、それからの彼はしばらく何もしゃべらなかった。それでも器用な唇はあたしの中央を捕らえ潤い溢れ出したぬめりを押し広げ、その滴りを毛先の方まで延ばす。ちろちろと揺れる振動と変則的に下へと沈む舌の先。差し込まれた二本の指先がざらつきを捕らえ、上に向かってあたしを掻き出す。
「あっ!」
「ここね。」
って。きっとあたしGの奥にはストローみたいなのがあるんだ。そのラインに沿って上から下へとしごかれて。
「嫌っ!」
初めての男に最初っからこれは・・・・。
「嘘つき。」
指先に加わる力が強まって、あたしの中で何かが膨れ上がる。さすがに恥ずかしくってお尻に力入れて堪えるけど・・・・.ちょろって。体の中をミミズが走って行く感じで。
「んっ!」
息堪えてお腹に力入れちゃったのがまずかった。とくん、とくんってそれは流れ出し。
「おしっこ、出て来たよ。」
分かってる声が言う。
「お、おしっこじゃ、ない。」
彼の指が動きを止める事はなくて
「涼子さん、可愛い。」
あたしの太ももがブルブル震えてた。
「我慢しちゃ身体に悪いよ。」
指先が頂点をむき出しにし、彼の口元があたしを襲うから。
「ひっ!」
敏感な所に舌が絡み内側の動きが速くなる。歯を食いしばりもう駄目だって思った瞬間、叩きつける様な音であたしが噴き出した。反り返る躯にも古池は容赦なんかしなくって。あたしは一滴残らず絞り出された気分だった。 
 荒い息でぼんやりしてた。あたしだけイッたって分かってる。彼はこれからだ。そんなおかしくなっているあたしの上に彼がゆっくりとやって来て、上向きに丸めた右手をそっと差し出した。
「?」
それからその手をあたしの顔の上に持って来て、
「ずっ・・・・。」
啜った。
「確かに。おしっこじゃないね。」
って。顔が真っ赤に火照るのが分かった。それからもう一度すすり、彼の掌から透明な液が落ちて来てあたしの口元を濡らした。彼が啜る音と一緒に降る雨はさらっとしていてあんまり匂いがしなくって。
「おしっこじゃないね。」
って言葉が出そうになりそれを飲み込んだ。彼はあたしの目を見つめながらいやらしい仕草で指を舐める。
「涼子さんってどこ食べても美味しいね。」
それからもう一度ゴムのパッケージを取り出し
「じっくり頂きたいけど、我慢できないから。少し早いかもしれないけど許してね。」
って身体を起こした。
 そのくせ彼は被せたって言うのにすぐには入ってこなくって、その唇はあたしの足の付け根を彷徨よう。焦らされてるって思いながら愛撫に身を任せてた。と、その時。
「あっ!」
どこかで覚えの有る痛みが走り、あたしは捕まえられている左足を思わず引き寄せようとした。でも彼の力は信じられない位強くって、あれって思った。もう一度その足を引こうとするけど、右足にまで彼の躯が乗っていて身動きができない。太ももの内側に吸い付く彼の頭がほんの少しも動く事はなくって、その上彼の右手はあたしの脇腹に強く食い込んでいるから、一瞬恐怖から声が出た。
「ヤメて!!」
でも彼がその声に耳を貸す事はなくつかむ腕の力は増していて、今足の付け根に感じているのは鋭い痛み以外の何者でもない。冗談じゃない!あたしは支配されるのが嫌い。痛いのも嫌い。男があたしにつけるマーキング、キスマークも大嫌い。あたしは物じゃないから所有されるのは絶対に嫌!
「止めてよ!!」
力一杯彼を振り払う。彼は弾かれた様にあたしから離れ、凄く意外な顔をして見つめ返した。顔が引きつってるのを誤摩化すあたしに
「もうしないよ。」
って、さっきまでの荒々しさがどこかに行ってしまったみたいにじんわりと被さって来た。
「つい、イラって来ちゃってさ。でも、二度としない。」
彼はため息をついた。
「もう乱暴はしないし、キスマークなんかつけないから。」
って。そう言われても心のどこかが急速に冷めていった。勝利はあたしが本気で嫌だって言った事はすぐに止めてくれたから。あたしは知ってる。力で男に敵うはずが無いって。男もそれを知っているって。
 幸いあたしの中はさっきの彼のテクニックで濡れていた。だからそれからの15分はなんとか
“いい感じ”
装えた、気がする。

「ここのマンションのスペアキー持って行かない?」
昼には友達とランチって部屋を後にしようとするあたしに別れ際、彼が見送りのドアで囁いた。
「俺さ、初めてでこんなに完璧だった人っていないから。」
甘える声だった。
「さっきは物凄く悪い事したって思ってる。二度としないよ。それにアレは・・・。」
彼は言いかけて言葉を止めた。
「いいよな、そんな事どうでも。」
って。
「それより、気持ちはついてこないってんだったら、躯だけでも良いからつき合ってよ、ね?そしたら心も惚れさせる自信、あるし。」
もしあたしが勝利とこんな関係に無かったら、多分すごく嬉しくって頷いていた、そんな気がする。セックスは問題なくってむしろ相性は良い方だと思うし。でもね。
「その気になったら連絡するね。」
って言葉を濁し両手でバックを抱きしめた。
「最初に言ったけど、慰めて欲しかっただけだから。」
何かがもの凄く乾いていた。
「じゃあね。」
振り向いた背中越しに
「涼子さん。」
呼び止める彼をしつこいって思った。
「元彼の事、ひきずってんの、まだ。」
そう、めちゃくちゃにね。
 帰り道思い出すのは勝利の事ばかりで情けなくなった。ヤバい事したのかもしれないって。自分にも、彼にも。好きでもない男に成り行きで抱かれるんじゃなかった。そう思いながら、やっぱあたしは勝利が好きなんだって、誤摩化せないとこまで来てるって分かったさ。今更だけどね。
 家に帰ってもう一度シャワーを浴びた。かなりみっともない格好で片足を持ち上げ鏡を覗き込むと、あの男に吸い付かれた所には案の定くっきりと印がついていて。何だかとっても嫌な気分。思い出すだけで凄く疲れて何もする気がしなかった。週末に予定が無くって良かったよ。
 お風呂場出てから36時間ぶりにかき混ぜた糠床は少し酸っぱい匂いがして、胡瓜の味がいつもと変わってた。


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Date:2009/02/20
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Thema:自作恋愛連載小説
Janre:小説・文学

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